中指の剥離骨折後の自宅リハビリ治療用に超音波治療器を購入(指サポーターなどの医療グッズも紹介)

update 最終更新日:2024年9月17日 at 3:41 PM

先般のポップコーン慰安旅行において、札幌すすきのの路上で転倒し右手中指を剝離骨折し、同時に薬指も靭帯損傷が認められ、全治2か月の重傷を負ってしまいました。
その後の治療の経過ですが、シーネ内蔵の指サポーターで4週間固定した結果、骨折した中指の第2関節の骨が正常に繋がり、とりあえず順調に回復へと向かっております。

しかしながら、骨折後のリハビリ治療を怠ると、靭帯の軟部組織が固まり、関節が変形したままになったり、可動域が狭まり指が曲がらなくなってしまうようです。実際、今通っている整形外科の病院でもそのようになってしまった方からお話をお聞きし、しっかりとケアする必要性を認識しました。

現在、通院先の整形外科では、超音波骨折治療器 Accellus2 による低出力パルス超音波(LIPUS)を当てる治療と並行し、湯温40°のバブルジェットバス&マッサージ師による療法でリハビリ治療を継続しております。
感覚的には、関節を温めてマッサージを行うと靭帯が柔らかくなることで可動域が広がり血行も良くなるので、バブルジェットバス&マッサージによる施術は、一番即効性があるように感じます。入浴時におけるシャワーヘッドでのマッサージも効果的な感じです。

なお、通院先の LIPUS による治療は、予約状況の都合で今のところ、週2回しか実施することができません。
そのため、それ以外の日を補完するため、1MHz の超音波治療器「YUNCHI 超音波理学療法機器」をネットから購入し、自身でも超音波治療を行うことにしました。
但し、今回購入した治療器は、厚生労働省の許可を取った医療機器ではないため、使用に際する結果については、あくまでも自己責任となります。
本機の安全性はスペック上で確認済みではありますが、万が一、炎症を悪化させるようならば、即使用を中止することにします。

治療の経緯

これまでの治療の経緯を以下に纏めます。

右手中指の剝離骨折が判明

旅行先の札幌から帰省後、レントゲン検査の結果、右手中指の第2関節の剝離骨折、ならびに、関節に異常な腫れが見られる症状から中指と薬指に側副靭帯の損傷が認められ、全治8週間の診断結果でした。
なお、靭帯損傷の程度については、MRIでのみ確認できます(当院には設置されていない)。

剝離骨折の応急処置として、右手中指の第2関節を強く引っ張り、関節を正しい位置に戻してから、再度、レントゲンで骨の状態を確認します。
その状態に問題がなければ、患部の周りに湿布を貼り、シーネで固定し、以下の動画の要領で包帯を巻きます。以後、経過観察となります。

サポーターと防水カバーの使用

湿布交換の度に包帯を巻き直す作業がかなり面倒だったので、楽天から指サポーターを購入しました。
サポーターには、シーネ(金属製の固定具)が内蔵されているのですが、骨折の場合、シーネを正しい角度で湾曲させる必要があるため、後日、担当医の方に角度を調整して頂きました。

なお、シャワー時にサポーターが濡れないようにするための防水カバーをアマゾンから購入しました。ご参考のため、それぞれの医療グッズを以下のギャラリーにアップします。

Accellus2 による超音波骨折治療

通院先の整形外科では、超音波骨折治療器 Accellus2 の低出力パルス超音波(LIPUS)による治療を継続しています。
LIPUS による治療は、骨折部位に1日1回、約20分間超音波を当てることで行われ、骨折の癒合を促進させる治療法です。断続的な超音波の音圧を骨折部位に照射することで、骨の形成を促進し、癒合日数を約40%短縮することができます。
また、軟部組織(筋肉、靭帯、腱など)の損傷に対して使用することもでき、炎症を悪化させることなく急性期から使用できるという特徴もあります。厚生労働省の先進医療にも認定されており、日本では1998年から実施されています。

アイキャッチのレントゲン写真は、LIPUS による治療を開始してから、4週間後の結果です。この写真から、右手中指(赤丸)の剥離骨折部分が完治していることが分かります。なお、右手薬指(緑丸)の骨折は免れましたが、靭帯損傷で第2関節を境に指が外側へ曲がっています。

以下のギャラリーに示す通り、LIPUS による治療は、専用のゲルを患部に塗りプローブを固定し、20分間、低出力パルス超音波を照射します。

超音波療法について

超音波療法は超音波の機械的振動を照射する治療法です。超音波の振動によって血流の改善・増大、疼痛の緩和、組織の伸展性の向上に効果が期待できます。

超音波とは人間の耳では聞こえないほど高い周波数(20kHz以上)で振動する音波と定義されています。この超音波の機械的振動を生体に照射して、治療効果を上げるのが超音波療法です。
超音波を照射すると、その機械的振動によって生体組織が加温され、生体内にある数μmの微小な気泡が圧縮と拡張を繰り返し、細胞膜を適度に刺激して細胞を活性化させます。
超音波が組織内を伝導する時には、靭帯や腱、その他結合組織などの深部組織で超音波エネルギーは急速に吸収され減衰し、熱エネルギーへと変換されます(温熱効果)。

超音波療法では、一般的に1MHzと3MHzの2種類の周波数を使用しますが、1MHzはより深部まで到達するため、大きな筋肉の損傷などの治療に適しています。一方、3MHzは体表~2cm程度の部位に作用するため、表層部の治療に適しています。
なお、1MHzでは深さ3-5㎝、3MHzでは深さ1-2㎝の組織を中心に加温することが可能です。
加温効果は3MHzのほうが3倍以上に高くなるため、1MHzで適用する場合の1/3以下の強度で用いられることになります。

超音波治療は、基本的に副作用の心配はありませんが、安全を考慮して控えるべきケースがあります。
超音波治療を控えるべきケースは次のとおりです。

・ペースメーカーを装着している場合、熱が加わって問題の起きることが懸念されるため、治療が困難です。
・悪性腫瘍がある、血管や脊髄に重い疾患がある場合も、超音波治療器の使用を避けます。
・眼や脳、生殖器は超音波治療の対象外です。
・妊娠している時も、胎児への影響が不明であるため、禁忌事項に含まれます。
・組織が空洞化するため、目には照射しない。
・腫瘍は増大してしまうため、悪性腫瘍がある患部には使用しない。
・超音波治療器は、成長軟骨がある世代(0~高校生前後)の骨折や骨のヒビには使用できません。骨に成長障害を起こす可能性があるためです。
・超音波経路に関するリスクとして、標的までの経路に沿った組織が加熱され、組織損傷を起こし、これにより顕著な脳細胞損傷や死亡までも起こり得るリスクがあります。この加熱は、不適切な治療標的や、瘢痕、治療組織が皮膚や骨に近すぎる、骨によるエネルギー吸収、高熱による熱傷、といった原因があり得ます。

【超音波の使用方法】

超音波治療器から照射される超音波は、空気中を伝搬しないため、体内に超音波を取り込むためには、導子と皮膚との間にゲルなどの媒介物質が必要となります。

【温熱効果と非温熱効果の設定方法】

超音波療法の目的は、①温熱効果を利用したもの、②振動効果(非温熱効果)を利用したものの2つに大別されます。

両者を区別するための設定条件として、①周波数、②強度、③照射率、④導子の移動速度、⑤照射面積、⑥実施時間によって決定します。(下表参照)

温熱効果非温熱効果
周波数1-3MHz主に1MHz
強度0.5-1.5W/㎠0.1-0.3W/㎠
照射率50%以上20%以下
移動速度2-4㎝/秒固定
照射面積1.5-2倍固定
治療時間3-10分3-20分

温熱効果を目的とした場合は、ビーム不均等率によって起こる熱点が発生してしまい、一部分だけが過剰に加熱されて火傷を起こすリスクがあります。
そのため、移動範囲は有効照射面積の1.5-2倍とし、導子の移動速度は2-4㎝/秒で移動させながら実施していく必要があります。

非温熱効果を目的とした場合は強度と照射率を下げて実施し、加熱作用をできるかぎりに抑えてから実施します。低強度の低照射率であるため、導子を固定していても熱点は発生せず、火傷の心配はほとんどありません。
治療時間は部位によって異なり、通常の軟部組織で3-5分、腱損傷で15分、骨折で20分程度が治癒促進のためには必要な時間とされています。

【温熱効果を利用した治療法】

超音波の吸収係数の高い組織は、一般にコラーゲン含有量が高い組織であり、一方、吸収係数が低い組織は水分含有量が高い組織になります。
そのため、血液や脂肪、筋肉といった組織への加温効果は少なく、腱や靭帯、関節包、筋膜、骨といった組織の加温効果は高くなります。
1W/㎠の強度で1MHzの超音波を照射した場合、平均で軟部組織の温度は毎分0.2℃上昇することが報告されています。
超音波の吸収は伝播された組織の蛋白質の含有量に比例するため、膠原組織を多く含む骨や関節包などでよく吸収し、温度上昇が起こりやすくなります。とくに関節包は関節拘縮を引き起こしている最大の原因部位であるため、制限している部位に照射してから伸張を加えると効果的です。
超音波の適応は限局した深部組織で、ギプス固定後や火傷後の拘縮、術後の癒着や瘢痕などに対して高い効果を発揮します。

【非温熱効果を利用した治療法】

低強度の超音波療法では、以下のような生体反応が起こる事が報告されています。

  1. 細胞内カルシウムの増加
  2. 細胞膜の透過性の増加
  3. 肥満細胞の脱顆粒の増加
  4. 走化性因子とヒスタミン遊離の増加
  5. マクロファージの反応性の増強
  6. 繊維芽細胞による蛋白合成率

これらの反応は組織の治癒を早め、障害からの復帰を早める効果が期待されています。
研究によると、骨折部位への超音波の照射は骨癒合期間を40%近く短縮できると報告されています。特に難治性骨折に対しては有効で、骨癒合の成功率を大幅に向上するとされています。
頻度は1日1回、時間は20分程度が推奨されています。

* 参考文献
 超音波療法の治療効果と方法ついて – rehatora.net
 棘下筋に対する超音波出力強度の違いによる効果

エジェクターバス HK-151 によるマッサージ

アイキャッチに掲示した管理医療機器・上肢向け温浴療法用装置「エジェクターバス HK-151」による湯温40°、10分間のバブルジェットバスでの治療を終えてからマッサージ師による施術を行います。
バブルジェットバスの中では、関節の軟部組織が暖められて柔らかくなるため、この間に手のひらのグー・バーを繰り返して、少しでも指の関節の可動域を広げるようにします。

AliExpress で購入した超音波治療器

LIPUS による治療を補完するため、自宅での治療用に AliExpress から超音波治療器を購入しました。
整形外科で導入されている Accellus2 は、30~40万円で販売されていて高額なので、とても買えません。また、管理医療機器 販売事業者が楽天で販売している米国メーカの超音波治療器 US PRO 2000 2nd edition は、3万円くらいで購入できます。米国メーカとは言っても、実態は中国の会社からのOEM(中国製)でしょうけどねw

この機種は、IPUS 専用の超音波治療器(Accellus2 は 30mW/㎠)と比べスペックで及びませんが、デューティーサイクルの「低」では、低出力超音波の0.32W(有効超音波強度: 0.08W/㎠ = 80mW/㎠ ±20%)がサポートされているため、ある程度は骨折の治療にも使用できそうです。

しかしながら、一度限りの使用で3万円の出費は痛いので、今回は、US PRO 2000(旧機種のスペック)と同程度のスペックのものを AliExpress で唯一、1万円台で販売されている中国製の超音波治療器「YUNCHI 超音波理学療法機器」を購入しました。

なお、AliExpress では同機種のものが複数の販売者から適当なブランド名で出品されていますが、1万円以下で販売されているものは殆どゲルが付属されておらず、中古品の可能性もあるため注意が必要です。私は、販売価格 12,813円 の正規品を購入しています。

YUNCHI 超音波理学療法機器のスペックは以下の通りであり、周波数が 1MHz なので、3MHzの治療器と比べ安全性が高く、火傷のリスクは比較的に低いと思います。なお、オーダー時に「US」タイプを選択すれば、ACアダプターは日本仕様のプラグに対応します。

<特徴>
1. 3ギア強度: 0.72/0.96/1.20W/cm²±20%

2. パルス持続時間: 3/4/5ms、パルス繰り返し周期: 10ms
3. ビームの最大出力: 9.6W
4. デューティーサイクル: (低:30% 中:40% 高ギア:50%)

5. 有効音強度:(低:2.88 中:3.84 高ギア:4.80W ±20%)
6. 3つのタイミングギア: 5/10/15分
7. 有効照射面積: 4.0cm²±20%
8. タッチコントロール & LEDディスプレイ

9. プローブにヒーター機能を内蔵
10. 治療範囲: 関節炎、リウマチ、首と肩の痛み
11. ゲル付属

<仕様>
周波数: 最大1MHz
最大出力: 9.6W

定格電圧: 100-240V、50/60Hz、600mA
アダプタ出力: DC15V/3A
銘柄: YUNCHI
防水グレード: IPX7(超音波プローブのみ)
サイズ: 202x49x70mm
重量: 336g(アダプタを含む)


<機能>
1. 鎮痛効果: この筋肉治療機は、鼻受容体の膜を破壊し、痛み信号の生成と伝達を抑制し、鎮痛効果があります。 長時間の作業や体の筋肉が硬い状態にあることが多い人に適しており、体と心をリラックスさせ、疲労を和らげます。

2. 新陳分解の促進: この鎮痛器具は、細胞間の透過性、血液循環と新陳分解を改善し、体からの廃棄物の排出を助け、健康を効果的に改善し、鍼治療のポイントを刺激し、微小循環を改善します。血液循環を改善し、細胞の新陳代を促進します。

3. 骨の治癒を促進する: 痛みを和らげるマッサージャーは、骨のリフォームと治癒を促進し、硬化した繊維芽球の溶解を促進し、新陳代を促進し、骨組織の病気を効果的にターゲットにします。骨折の治癒と非結合の遅延、成人の初期の大腿骨頭のエナメル質は、健康を回復するのに役立ちます。

4. 高性能: ショックウェーブセラピーマシンは、治療領域の新陳列を改善し、影響を受けた領域の炎症を軽減することもできます。 ショックウェーブセラピーは、組織の回復を促進し、健康を改善するのに役立ちます。 正常な組織細胞に損傷を与えず、手術の可能性や関連するリスクを回避します。

5. 使いやすい: 痛み治療機は人間工学に基づいた設計を採用し、設定を提供し、操作が簡単で、完全な機能を備えています。 ショック波治療装置の鎮痛効果は、他の理学療法装置よりも明らかです。 特に肩の痛みを和らげるのに役立ち、変形性関節症に適しています。

YUNCHI 超音波理学療法機器の動作確認

以下の動画は、YUNCHI 超音波理学療法機器の動作確認です。電源を入れギア強度を「L」に設定してから、プローブに水滴を垂らして水疱が発生すればOKです。

YUNCHI 超音波理学療法機器の使用例

YUNCHI 超音波理学療法機器は、プローブと患部にたっぷりと専用のゲルを塗り、患部にプローブを当てて施術します。この治療器は、ギア強度が「低」であっても LIPUS(0.03W/cm²) と比べ 0.72W/cm² と高出力のため、患部にプローブを固定させる行為は危険であり禁止されています。
本機の有効照射面積は、4.0㎠であるため、火傷のリスクを抑えるため、プローブの移動速度は2-4㎝/秒の速度で半径4cm外のところまで移動させながら実施する必要があります。移動が無理なら、プローブを患部に当てたり離したりして、極力、プローブが接触する時間を短くします。
プローブは、治療部位の周りで往復運動または円運動をさせて使用します。もし、疼痛を感じた場合は、直ぐに患部からプローブを離し、必要に応じてゲルを患部へたっぷりと追加塗布します。
なお、本機のプローブにはヒーター機能が内蔵されているため、患部への温熱治療効果も期待されます。

現在の治療状況としては骨折が完治した後、靭帯損傷による痛みの緩和と曲がらなくなった関節の可動域を広げるリハビリ治療のフェーズへと移行しています。
剥離骨折部分(中指の第2関節)と薬指の第2関節の側副靭帯の周りの軟部組織への治療には、通常、3~5分の使用時間が適切であるという研究報告も踏まえ、今回は、安全を期しギア強度を「低」に、使用時間は、全体で5分以内の治療を毎日お風呂上がりに実施することにしました。
とりあえず、本機での治療期間は最長で3週間を目途にします。

なお、先日たまたまポップコーンのお店へ来店された医療関係者の話によると、指に繋がっている筋肉は、側副靭帯の他に、指を動かすために手のひらまで繋がっている筋肉もあるので、指の裏や側面だけでなく、手のひらまでプローブを当てれば、更にマッサージ効果が高まるとの事です。但し、腫れたりして炎症がある部位へはプローブを当ててはいけないそうです。

YUNCHI 超音波理学療法機器の取説

本製品のリマインダーと取扱説明書(英語/日本語)をギャラリーにアップします。なお、日本語への翻訳は、スマホ Galaxy S24 の Galaxy AI によるものです。

【リマインダー】

【取扱説明書】

超音波治療用ゲルを購入

YUNCHI 超音波理学療法機器に添付されているゲル(50g)は、内容量が少ないため、その代替品として、Yahoo! ショッピングより、以下の通り、伊藤超短波株式会社 オステオトロンV(販売価格 400,000円)に付属する超音波カプラーゲル(260g)を購入しました。

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