最終更新日:2024年3月21日 at 6:48 AM
Google のタブレット Nexus9 の後継として、試しに安価な中華タブレットをヤフオクにて、6500円(送料2900円)で購入しました。オークションの商品説明によると、このタブレットは未使用品で、スペックは以下の通りです。
10インチディプレイで解像度が1920×1200(IPS)、Android 13、5G通話対応ならスペック的には悪くないなと思った次第です。
送られて来た中華タブレットについて
販売者から送られて来た中華タブレットの箱には、「Tablet PC」と書かれているだけで、メーカー名など、それ以外の情報は何も記載されておらず、ACアダプターや取説も入っていませんでした。
何だか、怪しいと思いつつも、取りあえずは初期設定をし使って見る事にします。
後で分かった事ですが、このタブレットのメーカーと端末名は、YDJ Pad5Pro です。
YDJ Pad5Pro の動作確認
ブラウザ Chrome を起動し、私のWebサイトを開いてみました。
う~!? 何だか様子がおかしいです。サイトの文字が粗いし、GIF画像が正常に表示できていません。これは、GPUのバグでしょうか!?
以下のギャラリーは、左が「YDJ Pad5Pro」、右が他の中華タブレット「TPZ T10B-A」での表示です。
YDJ Pad5Pro の端末情報
どうも様子がおかしいので、端末情報から調べてみます。以下が Google の設定から見た端末情報です。
システム アップデートがAndroid 13.0 に更新済みと表示されていますが、ここの詳細をクリックしたところ、最終アップデートの日付が2018年8月5日となっています。
これは、いよいよ怪しいです!
YDJ Pad5Pro のシステムを調査
この怪しい中華タブレットの中身を詳細に調査するため、デバイス情報を表示するアプリのインストールにトライしますが、多くのアプリがインストール中にエラーが発生し、なかなかインストールできません。そうした中でやっと、アプリ「devcheck」がインストールできました。
以下のギャラリーがdevcheckによる結果です。
上記のギャラリーに示した通り、何とOSの実態は、Android 8.1 (Oreo) でした。更には、画面の解像度は、1280×800 (WXGA) の低解像度ディプレイです。これにより、商品説明は真っ赤な嘘だという事が判明しました。
SoCは、Mediatek MT6750 で、CPUは、Cortex-A53(156MHz-1001MHz x 2コア/286MHz-1508MHz x 2コア)です。8コアではありますが、超低速なCPUであるため、5G での通信は恐らく不可能と思われます。GPU は ARM Mali-T860 です。
また、中身が Android 8.1 なので、多くのアプリがインストールできないでしょうし、セキュリティ上の問題もあります。実際にテストしたところ、最新のセキュリティ「SPF」「DKIM」「DMARC」に対応していないためか、残念ながら、Gmailで任意のドメイン宛へのメール送信に失敗しました。
そもそも、Google Play ストアからのダウンロードに必要な GMS(Google Mobile Service)認証も無いのかもしれません。
なお、技適(技術基準適合証明)の表記はどこにも見当たらないので、4G/5GやWi-Fi、Bluetooth など、日本国内での無線利用は全て違法となります。
ちなみに、手持ちの中華タブレット「TPZ T10B-A」ですが、以下の通りタブレットの背面とパッケージには、技適マークが刻印されています。
以上の結果を踏まえ、以下の文面で出品者へメッセージを送り、返品を依頼した結果、最終的には返品処理となり、支払い代金の全額を無事取り戻すことが出来ました!
本商品についてですが、届いた商品は商品説明とは全く異なるものでした。
アプリ「devcheck」でデバイスをチェックし確認したところ、以下のスペックは、虚偽である事が判明しています。1.オペレーティングシステム:Android 13.0(Androidのクラックで表示偽装されています)
⇒ 中身はAndroid 8.1(Oreo)がベースでした。よって、インストールできないアプリがあります。2. ディプレイ解像度:1920×1200(IPS)
⇒ これは全くの嘘です。実際は、1280×800 の低解像度ディプレイでした。ちなみに、devcheckでは、端末名が Pad5Pro と表示されますので、これは「Xiaomi Pad 5 Pro」の偽造品と思われます。
以上の理由で、申し訳ございませんが、本商品の返品を希望します。
auctions.yahoo.co.jp
商品を購入した人の中で、偽装の実態に気が付かず使い続けている人は多いのかもしれませんが、このような怪しい端末にはマルウエアが仕掛けられている可能性もあり、利用には十分注意する必要があります。
少なくとも、マイナーな中華タブレットを購入した際は、先ずはデバイスのチェックをする事を推奨します。
再チャレンジで、後日以下の中華タブレットを購入しました。